水煮加工されたたけのこが酸っぱいにおいを放つことはありますが、食べられるのかという問題は、たけのこのコンディションにより異なる点があります。
たけのこを下茹でする際の付け合わせ材料が、そのにおいの原因となる場合もあります。つまり、鮮度が良いたけのこでも、酸っぱいにおいがしたりすることがあるのです。
においだけではなく他の観点から、たけのこの腐敗を見極める方法を知ることが重要です。
そこで、以下では、酸っぱいにおいのするたけのこが本当に食べられないのかどうかの見極め方、においがする場合の応急処置、そして水煮たけのこの鮮度を保つための上手な保存テクニックをご紹介していきます。
そのたけのこ食べられる?腐っているか食べられるかの判断の仕方
水煮にされたたけのこの新鮮さについて、ただ酸っぱい香りで評価するのは難しいです。その理由は、使用する材料によって生じる場合もあるためです。
たとえば、自宅でたけのこの下処理を行う際、「ぬか」をはじめとするあく抜きのための材料を使用します。こうした加工過程で使用される材料が、香りや、感じ方によっては風味にも酸っぱさをもたらすことがあります。
特に市販されている製品の場合、保存料としてクエン酸など酸味のある成分が含まれていることがあり、真空パックから取り出す際に酸っぱい臭いがすることもあります。
では、ここで「腐っているのか?」「本当に食べられるのか?」という疑問に対する見極め方をご説明します。
ぬめり感のチェック
たけのこの表面をさわってみましょう。ぬめりがあり、まるで薄い膜のような感触がある場合、それは腐敗が進行している証拠です。また、たけのこを置いている水が濁っていたりもします。
- 糸を引いている
- 周囲が溶けたり、触れると崩れる様子がある
これらの状態が確認できたら、残念ながら食べられなくなっていますので、処分するべきです。
色の変化に注意
- たけのこの表面が白っぽく変色している場合
- 切り口がピンク色や赤色をしている状態
これらはたけのこが腐敗している可能サインです。また、たけのこが茶色に変わったり、表面にカビが発生していることもありますので、購入や調理の際は注意しましょう。
異臭を感じたとき
食材が腐敗し、酸っぱい臭いを放つときは、鼻を衝くような不愉快な臭いが発生します。
調理直後には感じられなかった違和感のある臭いがする場合、その食品は悪化している可能性があります。
食品が腐敗しているかどうかの判断技術
見た目や色合いには問題がなさそうです。
それでも、何とも言えぬ微妙な匂いが漂っています。
判別が難しい状況です。
このような際に、食品が腐敗しているのか、それとも元々の匂いなのかを見極めるために有効な方法が存在します。
手順はとてもシンプルで、調理する前に食品をもう一度茹でるのです。
その際、茹でた後もなお酸っぱいような匂いがする場合は、腐敗している恐れがあるので消費を避けた方が無難です。
酸っぱい匂いを消す方法
確かに、食材の酸っぱい匂いに悩んでいる方も少なくありません。そんな時、試していただきたいのが調理前の再茹でです。
このシンプルな処理により、食材に含まれていた酸味料の匂いも取り除くことができるのです。
さらに、食材が腐敗していないかどうかの確認にも役立つこの方法なら、匂いを気にすることなく安全に食べ物を楽しむことができます。
匂いを感じさせない調理のコツ
茹でるのが面倒と感じる方々へ、調理法でのアイディアをご紹介します。多くの皆さんは、風味が強い味付けや、酸味を効かせた味付けを実践されているようです。
たとえば、天ぷらや土佐煮のように素朴な味わいでは、たけのこの特有の酸味が際立ってしまいがちです。
個人的なおすすめは中華料理です。コチュジャンを加えた甘辛い炒め物や、春巻きの餡としての利用など、中華料理には味が濃いめのレシピが多く、たけのこの香りが気になるという場合に適しています。
また、酢の物や酢豚など酢を使った料理は香りを抑える効果があるため、強調されがちな香りをカバーできるため、ぜひ試してみてください。
どんな味付けにも適応してくれるたけのこは、非常に多目的に使える食材です。その便利さを存分に活かして、様々な料理にトライしてみるのも楽しいものですね。
水煮たけのこの上手な保存方法とその賞味期限
水煮たけのこの保存は、主に水に浸して冷蔵庫で保管するのが一般的です。この方法での賞味期限は約一週間です。
保存の際のポイントは、毎日水を新しいものと交換することです。水はたけのこがしっかりと覆われるほど用意しましょう。
スーパーマーケット等で手に入る真空パックの水煮たけのこも、パックを開封した後は同じく水を毎日新しくしてください。こちらもやはり約一週間を保管目安とします。
水煮にしてもたけのこのアクは続けて出るため、できるだけ早く召し上がることを推奨いたします。
冷凍保存も可能
たけのこは冷凍することも可能です。ただし、生のまま冷凍してしまうと質感が損なわれ、スカスカのスポンジ状になりかねません。質感を保ったまま保管するためには、切り方にコツがあります。
まず、下ゆですぐに食べられるように下処理されたたけのこを、約5ミリメートル厚さにスライスします。形はお好みで半月切りやいちょう切りにするのが良いでしょう。
保存袋に切ったたけのこを入れ、だし汁を同量入れて全体が浸かる程度にします。これを冷凍庫へ。使う際には、だし汁ごと鍋に移し、そのまま加熱すれば大丈夫です。
約1ヶ月の間は品質を保って保存ができます。もし汁物でない料理で使用したい場合、だし汁抜きでの冷凍方法として「砂糖まぶし冷凍」があります。先に紹介した切り方で準備したたけのこに、表面が軽く覆われる程度に両面に砂糖をまぶしていきます。
砂糖がなじんだら、空気を抜いて保存袋に入れ、冷凍庫で保管します。この方法でも約1ヶ月は冷凍保存が可能です。使用する際は、凍ったまま料理に投入し、ほとんど甘みは感じられずに利用できるでしょう。
塩による長期保存術
たけのこの保存方法として、塩漬けが有効です。これにより、常温でも約1年保つことができるのです。以下に塩漬けにするための手順を説明いたします。
- 最初にアクを抜き、たけのこを半分に分けます。
- 次に、タッパーやガラス製の保存容器の底に、しっかりと塩を敷き詰めましょう。
- その後で、たけのこの切り口を内側にして重ねていきます。
- ここで大切なのは、重ねた切り口の面にも充分に塩をすり込むことです!
- 最後に、容器の空いたスペース全体に塩をたっぷりと加えて隠します。
これで、シンプルかつ簡単に塩漬けが完了します。これなら初めての方でも挑戦しやすいと思いますよ。
なお、この塩漬けにしたたけのこを食べる際は、塩抜きを忘れずに行う必要があります。
たけのこの白い粒々の真実
以前、たけのこの湯通しにおければんじょうする“ぬか臭“について取り上げましたが、通常の疑問として「湯通ししたらたけのこの内部に白い粒が見つかった」という話をよく耳にします。
これは実はたけのこの成分であり、たんぱく質の一種であるアミノ酸が、湯通しの過程で溶け出して発生するものなんです。
市販されているたけのこの湯通し商品のラベルにも、これらの白い粒々は食べても安全である旨が、しっかりと記載されています。
加えて、この白い粒々はむしろ歓迎すべき成分です。
実は、この白い粒々が豊富に見られるたけのこほど、その味わいが高いとされる証拠になっているのです。
カビのような外見をしているため、私自身初めて見たときは驚いてしまい、一生懸命に水で洗い流そうとしたこともありましたが、その必要はなかったことがわかりました。
それでも、外観に違和感を覚える方は、もう一度たけのこを茹でることできれいに取り除くことができます。
たけのこは繊細な素材ですので、保存の際には注意が必要です。正しい方法で保存し、おいしく享受してくださいね。