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ゴキブリにカビキラーが与える即効性と威力の高さ、気になるポイント

ほんのちょっと前、自宅のバスルームの清掃を実施していました。その時、風呂場のドアを開けた瞬間、目に飛び込んできたのは、艶かしい黒色をしたゴキブリの姿でした。

ゴキブリとの遭遇は個人的には最悪で、普段であれば無視してその場を逃げ出すタイプです。

しかし、この時は以前耳にした「カビキラーがゴキブリに効く」という話をふと思い出し、勇気を奮い立たせ、実際に試してみることにしました。

その結果をお伝えする前に、この記事では以下のポイントを詳しく解説していきます:

  • ゴキブリへのカビキラーの効果の有無
  • カビキラーを用いたゴキブリの退治方法
  • 使用する際の注意点

カビキラーでゴキブリ退治は本当に可能?

早速ですが、結果についてお知らせいたします。家の中のゴキブリ対策として、カビキラーの使用は驚くほど効果的です。

例えば、雑草が生い茂る庭に除草剤を使うように、カビキラーを使えば、ゴキブリの存在を確実に抑制することができます。

最初は暴れて逃げ足を速めたゴキブリに少し焦りも感じましたが、「もしかして効かないのでは?」と思っていたゴキブリも、何度かスプレーを重ねるうちに遂には動きを止め、上を向いた状態で息絶えました。

ゴキブリをカビキラーで退治する仕組み - 窒息死が原因

カビキラーでゴキブリが退治される主な原因は、カビキラー自体に極端に強い毒性があるわけではなく、窒息してしまうためです。

私たち人間や他の哺乳類、爬虫類は口や鼻から空気を吸い込み呼吸をしているのは常識ですが、一方、ゴキブリを含む昆虫たちは体側にある「気門」という細かい穴を使って空気のやり取りを行っています。

ゴキブリが水に濡れても窒息しないのは、その体表を覆う油分が気門を保護しているからです。この油分のため水は弾かれ、ゴキブリはしとやかな光沢を放っているのですが、これが多くの人々にとって不快の一因となっています(少々恐ろしい事実ですね)。

この油が気門の塞がりを防いでいるわけですが、そこにカビキラーをかけることにより、気門が塞がれ、ゴキブリは窒息死してしまうのです。

界面活性剤によるゴキブリ退治の原理

カビ除去用の洗剤「カビキラー」には界面活性剤が含まれていることで知られています。界面活性剤というのは、素晴らしい特性を持ち、水と油の双方に作用して混ざり合わせる性質があります。

実はゴキブリの体にこの界面活性剤を伴うカビキラーを噴射すると、ゴキブリが通気用に使っている気門を覆っている油膜が取り除かれてしまうのです。その結果、気門が閉じられることになり、ゴキブリは呼吸不全に陥り、窒息死してしまいます。

一般的にキッチンで使用される洗剤である食器用洗剤によってゴキブリが死んでしまうという話を耳にすることがありますが、これもまた界面活性剤が含まれているために可能なことです。食器用洗剤とカビキラーとでは異なる製品ですが、ゴキブリ退治における根本的なメカニズムは同じです。

さらに、サラダ油やオリーブオイルなどの油分も、ゴキブリの身体にある油膜を無効化することができ、結果としてゴキブリを窒息死させる効果があるのです。

カビキラーがゴキブリに即効性はあるのか

一般的にゴキブリを駆除する際、気がかりなのはその速さと死に際のもがきですよね。せめてゴキブリには即座に駆逐したいものです。しかし、期待を裏切るようで申し訳ないのですが、カビキラーを振りかけただけではゴキブリはすぐには倒れません

カビキラーがゴキブリに作用を始めるまでには、おおよそ1~2分を要し、その間ゴキブリは苦しみながら動き続けます。その様子を見守りつつ、もしその後もまだ動いていたら、カビキラーを何回かにわたって追加噴射する必要があるでしょう。

ただし、泡状のカビキラーの場合、ゴキブリの活動を停止させる効果はあり、広範囲に散らばってしまうことは防げます。

カビキラーがゴキブリに効果アリ?解体現場の真実

カビキラーでゴキブリを退治しようとすると、一瞬で死骸がなくなるかのような期待を持ちがちですが、実際のところゴキブリはそんなにあっけなく消えてくれません。

積み重ねられたカビを一掃するほどの効力があるカビキラーでも、その力はゴキブリの死骸には及ばず、後始末は手作業で行わなければなりません。カビキラーをかけたらゴキブリの体が溶け出すかというと、実際はそんなに簡単な話ではないのです。

カビキラーによるゴキブリ駆除法

ここでは、カビキラーを用いたゴキブリの駆除のやり方やポイントについてご説明します。実際のところ、非常にシンプルな作業です。

カビキラーの噴射において重要なことは、ゴキブリ自体を狙うのではなく、逃げるであろう経路の少し先を狙うことです。ゴキブリの反射神経は驚異的に速いため、いる場所を直接狙っても、瞬時に避けられてしまいます。

そのため、ゴキブリが次に移動しそうな場所に先んじて噴射してください。無駄に感じるかもしれませんが、これは大切なコツです。ゴキブリが触れるように床や壁についたカビキラーの泡を活用します。これだけでゴキブリはかなりのダメージを受けるはずです。

カビキラー使用時の4つの気をつけたいポイント

カビキラーは浴室洗剤の中でも特に効果が高く、また強い臭いを放つ製品ですから、取り扱いには特別な注意が必要です。ただ直触れば肌が荒れそうな感じがするからです。

カビキラーを使用してゴキブリなど害虫を駆除する際には、以下に挙げる4つのポイントを絶対に守りましょう。

換気をしっかり行う

使用中のカビキラーから発生する強烈な臭いは、密閉された空間で大量に吸入すると体調不良を引き起こすことがあります。

使用前にはしっかりと窓を開けたり、浴室の換気扇を利用して空気が流れる状態にしておくことが大切です。

保護眼鏡、マスク、ゴム製手袋を身につける

カビキラーの安全な使用に当たっては、メーカーからも以下のアイテムの使用が推奨されています。

  • 目を保護するための保護メガネ
  • 有害な蒸気を吸い込まないためのマスク
  • 素手で製品に触れないためのゴム手袋

この3点の装備は必須です。家庭に常備されているマスクやゴム手袋は使用できますが、保護メガネに関しては、花粉症対策用ゴーグルでも構いません。それがない場合は、水泳用メガネやスキー、スノーボード用ゴーグルなどでも代替できます。

ほかの薬剤を一緒にしない

殺虫剤を使用した後にカビキラーを使うことは避けるべき行動です。商品のパッケージに明記されている「混ぜるな危険」という警告通り、異なる薬品を組み合わせることは危険を伴います。

カビキラーが塩素を含む洗浄剤であるため、酸性の洗浄剤との混合は避けるべきなのです。しかし、一般の使用者には、何が危険な組み合わせなのか判断が難しいため、先に他の殺虫剤や洗剤を使用した場合は、その後のカビキラーの使用を自粛して危険回避を心掛けましょう。

駆除が終わったらしっかり流す

カビキラーを使用した後の手洗いは非常に重要です。

ゴキブリと同様に不衛生なものを扱った後は、手洗いにハンドソープや石鹸を用いてしっかりとした消毒をおこない、徹底的に清潔を保つことが求められます。

「カビキラーの意外な使い道」ではメーカーが宣伝しない理由

ネット上では多数の人がカビキラーによるゴキブリ駆除を体験しており、現実世界でもこうした実例が少なくないだろうと思われます。なぜなら、この方法ならばゴキブリ専用の肩虫剤をわざわざ買い求める必要がなく、経済的なメリットがあるからです。

しかし、カビキラーを製造販売するジョンソン社がこの用途を公にアピールしないのには、その理由があります。それは、カビキラーが持つ成分により、家庭内のいろいろな場所に「変色」を引き起こすリスクがあるからです

カビキラーの成分には「次亜塩素酸」が含まれており、その強力な漂白力が、カーペットや衣服、タオル、壁紙、フローリングの床などを変色させる可能性があります。変色とは、本来の色が褪せてしまい白っぽくなることを指します。

そのため、タイルでできている浴室内であればカビキラーを使用しても問題はありませんが、リビングやキッチンなどの他の場所での使用に関しては、避けるべきだとされています。

カビキラーの取扱説明書にも、使用が推奨されるのは次の場所に限定されています。

  • 浴室の壁、タイル、目地
  • 浴室のマットや小物
  • シャワーカーテン
  • 浴室の扉などのゴムパッキン

つまり、主に浴室専用であるというわけです。もし賃貸住宅で居住者が浴室以外の場所でカビキラーを使い、床や壁を変色させてしまった場合、退去時にかさんだ修繕費の支払いを要求されるかもしれません。

原状回復費用に敷金を充てる必要があり、高額になる可能性もあります。これを避ける為にも、カビキラーを利用してゴキブリを退治する際は「使用場所は浴室に限定する」というルールを守ることが重要です。

カビキラー代替品として使える家庭用品3つの提案

カビキラーの代わりとしてゴキブリに効くとされるが、その効果の秘密はカビキラー特有の成分ではありません。

実際のところ、カビキラーの効能のポイントは含まれている界面活性剤にあり、その成分を含む他の商品でも代替が可能です。

その証拠に、以下の3つの身近なアイテムが挙げられます:

  • 食器用洗剤
  • シャンプー
  • ボディーソープ

これらはどのご家庭にも普通に置かれているもので、界面活性剤を含んでいます(一部の商品を除く)。

これらの品々は、浴室外でゴキブリが出現した際に、床や壁の変色の心配なく安心して利用できるでしょう。

しかしながら、カビキラーのように泡状で噴射できるわけではないため、動き回るゴキブリへの直撃は難しいかもしれません。

食器用洗剤を水で希釈してスプレーボトルに入れて使用する技もありますが、そこには少し手間と準備が必要ですね。

ゴキブリのびっくりする能力を知っておこう

これから解説するゴキブリの特性を知れば、これらの不快な生物を退治する際に少しでも有利になるかもしれません。

ゴキブリがなぜそのような速い動きを見せ、生命力に優れているのかの謎を明かしていきましょう。

ゴキブリの驚異的な走行速度

ゴキブリが予想外に敏捷な足を持っているのは周知の事実で、その故にうまく捕まえることができない場面にしばしば遭遇します。

表面的には、ゴキブリの走行速度が時速8kmと聞いた場合、決して驚異的ではないと感じるかもしれません。

しかし、この速度を人間の世界に換算すると、なんと時速300kmに相当します。これは新幹線が発揮するスピードと肩を並べるレベルであり、陸上短距離の王者ウサイン・ボルトでさえも敵わない速さです

この類まれな速さを獲得しているのは、6本もの足の内、常に3本が地に接して力強い走りを実現しているからです。そのおかげで身体が安定し、ブレることなく高速移動が可能になっています。

さらに、急な停止や方向転換もゴキブリにとっては容易いこと。そのため、いとも簡単に人間をかわして逃げ去るのです。

もしゴキブリを逃がしてしまっても、自身の動きの鈍さを嘆く必要は全くありません。なぜなら、その敏速性が人間を圧倒しているからです。諦めが肝心ということですね。

ゴキブリの驚異の回避能力

ゴキブリは、人間と比較すると視力がほんの0.1程度しかありません。この視力は、通常の人間だと日々の生活が送れないほど目がぼやけてしまい、メガネやコンタクトレンズが必須になります。

ところが、ゴキブリはその限られた視力にもかかわらず、瞬時に動き回り、人間が振るハエたたきなどを巧みにかわしてしまいます。この驚くべき避け方の秘密は、ゴキブリの頭部にある長い触覚と、尾部にある尾毛にあります。

尾毛はアンテナのように空気の動きをキャッチし、それによって周囲の状況を察知し、どこへ逃げるべきかを瞬時に判断するのです。このため、ゴキブリを捕まえる際には、後ろからのアプローチよりも前方からの方が効果的だとされています。

薬剤耐性を持つ「スーパーゴキブリ」の出現

近年、私たちの生活圏内である家屋やレストラン、さらには工場といった様々な場所でゴキブリ駆除に力が入れられています。殺虫剤や毒を仕込んだ餌を使うなど、様々な手段が講じられていますね。

多くのゴキブリが駆除製品によって討たれる一方で、一握りのゴキブリたちは何らかの理由で耐性を持ち、生き残ってしまいます。こうして生き残った個体は世代を重ねるごとに耐性を強化し、その結果、我々が日常的に使用する殺虫剤では一切効かない体へと進化を遂げてしまいます。

つまり、これによって我々が手を焼く「スーパーゴキブリ」というニュータイプのゴキブリが誕生しているのです。人類にとってこれは大変な厄介事と言えるでしょう。

ゴキブリは3億年以上前から存在している

ゴキブリの存在は、我々人類がこの地球に姿を現すはるか昔、なんと恐竜が繁栄するよりも前からであり、およそ3億年前にさかのぼると言われています。

ご存じの通り、恐竜の絶滅は隕石衝突が引き金となりましたが、その後も多くの生物が時間を経て姿を消してきました。しかしながらゴキブリはその逞しさで今日まで生き抜いているのです。

これほどまでに適応力の高い生物であることには少し震えるものがあります。仮に将来、戦争や気候変動などの大きな変化が人類の存亡を脅かす事態にも、ゴキブリは生き残る可能性があるとされています。

一生で500匹の子孫を残すゴキブリの繁殖力

よく「ゴキブリを一匹見かけたら、その裏には100匹が潜んでいる」という言葉を耳にしますが、この話には根拠があります。

特に我々が住居でよく目にする黒光りするクロゴキブリのメスは、一生のうちに400から500匹もの子ゴキブリを産むことがわかっています。これが一対のゴキブリが家に侵入して無視された場合、子どもを含めて最大で500匹まで増殖可能です。

そして、その子孫も次世代を築き続けます。こうしていくと、ゴキブリの数はあっという間に天文学的な規模に達するため、見つけ次第駆除し巣ごと退治することが不可欠だと言えるでしょう。

カビキラー以外の有効なゴキブリ駆除法を紹介

ゴキブリの発見次第、迅速に対処することが得策です。また、家の隅々に隠れ住んでいるゴキブリも徹底的に排除しなければなりません。カビキラーではないゴキブリ対策として、次の5つの方法があります。

  • アルコールスプレーを使用して動きを止めた上で退治する
  • 界面活性剤配合の洗剤、シャンプーやボディソープを利用する
  • ベイト剤(毒餌)を使用する
  • ゴキブリホイホイの罠を仕掛ける
  • 蚊取りスプレーを応用する

部屋の中でゴキブリを目撃した場合、手の届く範囲にある道具を使ってすぐに排除しましょう。一方、隠れているゴキブリはブラックキャップやコンバットなどの毒餌剤を用いて巣ごと駆除することが推奨されます。

殺虫剤と同様に、ゴキブリが毒餌に対する耐性を得ることもあり得ますので、異なる種類の毒餌を組み合わせるか、定期的に種類を変更するなどして臨機応変に対応する必要があります。

ゴキブリに関する誤解とは?

ゴキブリに関する話題を掘り下げていくうちに、驚愕するような話が数多く出てきて、とても気分が悪くなることがあるんですね。

しかし、一般に浸透しているゴキブリのイメージには、実は誤った情報や都市伝説も存在しています。ここで特に注目すべき二つの誤解についてお話しましょう。

ゴキブリのメスを倒しても卵は孵らない誤解

「ゴキブリのメスを叩き潰せば、逆に卵が孵り大量の子ゴキブリがわく」という話は、確かな出典もなく語り継がれる都市伝説に似ています。この話を鵜呑みにしている方も少なくありませんが、事実ではないことをご説明しましょう。

ゴキブリのメスが命を落としても、そこで即座に子どもが誕生することはありません。クロゴキブリのメスは黒い豆のような形状の卵鞘と呼ばれる卵のパッケージを、暗闇で湿気のある場所に置きます。

対照的に、小柄で茶色い体をもつチャバネゴキブリのメスは、卵鞘をそのまま携帯し、約20日間日常生活を送ります。このため、卵鞘を持ったチャバネゴキブリのメスをつぶすと、場合によっては卵鞘が地面に落ちることがあるのです。これを目にした人が「殺した際に卵が生まれた」と誤解してしまった可能性があります。

飛行能力に限界のあるゴキブリ

ゴキブリが人を目掛けて飛んでくるというイメージによって、殺虫剤片手に追い掛ける際にさえ畏怖を感じる方は珍しくありません。しかし、実際には、全てのゴキブリが飛翔するわけではなく、飛べる種であっても短距離を飛ぶ程度なので、過度な恐怖は不要です。

小柄で茶色いチャバネゴキブリは元来飛ぶ能力を持ち合わせておらず、私たちの生活圏内でよく遭遇する黒っぽい大きなクロゴキブリも実は飛ぶのが得意とは言えません。その理由は、体が大きい割に翅が小さいため、地面からの離陸は不得意であり、壁から滑空するようにして飛んでいる場合が多いのです。

飛び方に関しては、気温や湿度が上がる時期に限られており、常に大音量で飛び回っているわけではありません。したがって、心配せずにすみます。

総括

今回はゴキブリの退治にカビキラーの使用可否について深掘りしましたが、最後にその要旨を整理してお伝えします。

  • カビキラーの界面活性剤成分がゴキブリには効き目があります
  • 直接噴射しても即座には死に至らないこともあり得ます
  • 同じ界面活性剤成分を含む洗剤を使用すれば似た効果を期待できます
  • 使用する際は十分な換気と適切な保護装備を準備する必要があります
  • 通常、浴室以外での使用は推奨されず、特に床面の変色を避けるべきです

風呂場にゴキブリが現れた際にカビキラーが手元にある場合は、それを使用して退治することが可能です。ただし、これはゴキブリが逃げない状況に限られます。

もし界面活性剤を含む別の製品、例えばシャンプーやボディーソープがあるなら、それを使用することがより良い選択肢と言えます。なぜなら、カビキラーよりも使用の準備や後処理がはるかに簡単だからです。