くらしの小箱

日常生活に役立つ情報を発信します。

効率的な吉野山紅葉観光プラン:混雑を回避して車と徒歩をうまく活用!

桜の名所として知られる吉野ですが、紅葉の季節も見どころ満載です。

山全体がカラフルに染まる紅葉は、展望台から望むと、その美しさは言葉では表現しきれません。

しかし、標高858mにも及ぶ広大な山々が紅葉の名所であるため、最適な観光ルートを選ぼうにも迷ってしまうのは無理もありません。

そんな広大な吉野の山々をどのように巡るか、混雑状況はどれ程か、そして推奨されるコースについて詳しく解説いたします。

吉野山の紅葉、混雑は期待より少なめ?

多くの人が気になるのは、吉野で紅葉の名所を楽しむ際の混雑具合です。人ごみを避けたいと思うのは自然な心情ですね。しかし、実は吉野の紅葉シーズンは、桜の時期よりもはるかに混雑が少ないのです。

京都の著名な紅葉の名所である永観堂清水寺に訪れたことがある方であれば、吉野の静けさには驚かれると思います。秋には春の桜の時期ほど人出はなく、通常交通規制も設けられません。

春季に吉野へ車でアクセスすると交通規制や渋滞にうんざり……といった経験談をよく耳にしますが、秋であればそのような心配は少ないです。

吉野のロープウェイは、2017年から一時運休していましたが、2019年3月末に運行を再開し、待ち時間なく利用できるようになりました。

紅葉シーズン中には、下千本に設けられた400台収容の駐車場が無料で利用可能です。これは桜の時期には考えられないことです。

実際、吉野の繁忙期と言えば桜のシーズン。特に下千本から中千本にかけてのエリアでは、お土産屋さんをのぞきながら歩く人々で賑わい、そのためにも混雑しやすくなります。

山の深いエリアに足を踏み入れるほど、観光客の数は減る傾向にあります。そのため、吉野を訪れた際には、朝早くに下千本の人気スポットを巡ることをお勧めします。

吉野の紅葉巡りおすすめコース

吉野の見事な紅葉を満喫できるおすすめのコースをご案内します。こちらは自動車を利用して吉野山へ向かいます。観光の際の大切なポイントは、「どの範囲まで徒歩で散策するか」という点です

吉野山は舗装されているので特別な登山用品は必要ありませんが、途中から奥千本と呼ばれるエリアに至るには相応の距離があるため歩きごたえがあります。それ故に、どの区間を歩き、どこから車で移動するかを見極めることが肝心となります。

ご自身や同伴者の体力や時間の余裕に合わせて計画を立てることが重要です。いくつかのポイントを以下で詳しく説明していきましょう。

吉野山の散策は無料駐車場からスタート

吉野山へ向かい、吉野駅付近と吉野神宮エリアを過ぎると、吉野山観光駐車場が出迎えてくれます。ここの駐車場は無料で400台を収容可能となっており、もし歩行に不都合がない方であれば、こちらを利用することを推奨します。

また、駐車場には利用可能なトイレが2箇所設けられているので、散策の前にここで用をたすと安心です。

その後は、駐車場から下千本方向へ向かう坂道を歩いていくことになります。ロープウェイの吉野山駅に到着するまでは、歩いて約5分程度の距離です。

下千本の景色を堪能

吉野山駅へ向かう駐車場からの道のりは、美しい下千本が広がる第一の観光地域として知られています。

このエリアの標高は約230~350メートルで、吉野山の中ではもっとも低い位置にある紅葉エリアです。ここには世界遺産にも登録された蔵王堂や七曲り坂などの名所があります。

駐車場からリフトのある「吉野山」駅までの間には下千本展望所やお野立ち跡があり、どちらも素晴らしい景色を楽しむことができる展望台が右側に位置しています。展望台では、ゆっくりと桜や紅葉の美しさを楽しむのがおすすめです。

以前、「吉野の桜は自生しているのだろうか」と私が考え込んだことがありますが、実際は修験道の開祖が桜を祀ったことに始まり、それに続いて信仰の対象として信者たちが献木として桜を植えた歴史があるのです。

金峯山寺の見学について

吉野山駅を出てから10分ほど歩けば、金峯山寺が見えてきます。このお寺は吉野山を象徴するような、有名な聖地と言えます。

吉野山観光駐車場から寺院の近辺には、数多くの食事処やお土産店が軒を連ねており、このエリアで昼食をとるのがお勧めです。奈良を訪れた際には、地元の特産品である柿の葉寿司や吉野葛の専門店を体験するのが良いでしょう。

中でも柿の葉寿司で評判の「ひょうたろう」さんは特にお勧めですが、そちらでは販売のみとなっているので、お土産として購入して帰ることを推奨します。

奈良の味覚、ひょうたろうの柿の葉寿司

金峯山寺の鳥居のそばにある「ひょうたろう」は、奈良の名物柿の葉寿司で知られています。

奈良の柿の葉寿司は、どこで食べてもその美味しさには定評がありますが、ひょうたろうの柿の葉寿司は、特に上品でまろやかな風味がありますね。その他とは差別化された味わいが楽しめます。

この地で発展した柿の葉寿司は、もともと海の恵みがない奈良県での保存食として考案されました。そのため基本的には少々濃いめの味付けが特徴的ですが、ひょうたろうの柿の葉寿司は角のない、口当たりの良い味が自慢です。

ひょうたろうでのおすすめの味わい方としては、2日目が良いでしょう。この時点で味が馴染み、より一層まろやかな味わいになります。

また、常温で3日間持つので、お土産にもぴったりです。お土産として購入する場合は、事前に予約しておき、帰路にピックアップすると良いでしょう。

柿の葉寿司は密に握られたごはんが特徴で、持ち運ぶには少々重たく感じることがあるため、その点も考慮すると予約が賢明な選択です。

吉水神社とその歴史的背景

金峯山寺の奥深く、左手に曲がる道を行くと、歴史深い吉水神社が姿を現します。かつて南北朝時代、この地は南朝の皇居として賑わった場所でした。そう、中学校の授業で耳にしたあの南北朝時代の話です。

この神社から望む紅葉は、その美しさから「一目千本」と称賛されています。一望できる中千本、上千本の紅葉は、見る者を魅了する豪華な光景を生み出しているのです。

中千本エリアのご案内

東に伸びる道を吉水神社から奥へと進み、突き当たりを右折すると、やがて「中千本」と称される地域に巡り合えます。この地区には下千本の駐車スペースから歩いて容易にアクセス可能です。概ね50分程度で到着するでしょう。

ただし、そこから先の「上千本」や更に遠い「奥千本」への移動は、徒歩だと少々骨が折れるかもしれません。

先に触れた吉水神社で中千本と上千本の両方を一度に眺められるため、吉野の紅葉をそこで満喫するか、それとももっと山を登っていくかは、迷われる点かもしれません。

上千本への旅

高いところへと登りを続けると、ついに上千本に到着します。途中にある横道からアクセスできる「竹林院」というお寺が訪れるに値します。

無料で利用できる便利な駐車場があり、お寺の庭園は美しいばかりでなく、下千本全体を見渡すことができる絶好のビュースポットなのです。

吉野山の下千本にある観光駐車場から竹林院までは、徒歩で約1時間ほどで到着できますよ。さらに竹林院から中千本へは800メートル程の距離を、およそ20分で歩いて到着可能です。

花矢倉展望台と奥千本の魅力

花矢倉展望台からは、奥千本の素晴らしい景観を一望できます。展望台は、上千本の近隣にありながら、そこからさらに高い位置にある奥千本を眺められる特別な場所です。駐車場から展望台までは健脚の方でも約2時間の距離があります。

Googleマップで検索しても、歩行時間はおよそ1時間20分と表示されますが、実際には急な坂道が続くため時間がかかるでしょう。それでも、その絶景は見る価値のあるものです。

もし、歩くのが苦手だったり、奥千本や花矢倉展望台の秋の紅葉を堪能したいとお考えなら、先に下千本や金峯山寺を楽しんだ後、車で上千本や奥千本に向かうことがお勧めです。

下千本の駐車場から奥千本まで車でおよそ40分ほどかかりますが、途中狭い道も多いため注意が必要です。なお、展望台近辺にも駐車スペースは設けられています。

下千本の吉野山観光駐車場で車を停めた後、どのように移動するかは脚力や時間の余裕に応じて柔軟に計画を立てることが大切です。訪問する範囲を事前に決めていただき、準備万端で訪れることをオススメします。

まとめ

さて、いかがでしたでしょう。吉野の深山には、多種多様な樹木と常緑樹が共存しています。そのため、秋には一面の赤い色合いに染まるわけではなく、多彩な色合いが織り成す賑やかな美しさが広がります。

関西地方にお住まいの方であれば、ぜひとも訪れていただきたい紅葉名所が、ここ吉野山です。

紅葉を観賞するだけでなく、歴史ある寺院巡りも楽しめるこの地は、多くの魅力に満ちています。是非、吉野山の趣深い風景とともに素敵なひとときを過ごしてみてください。