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【要注意】お歳暮とお中元でお礼の電話はいる?感謝の想いの伝え方

お歳暮やお中元は、季節ごとの感謝を表す日本の美しい伝統です。しかし、これらを受け取った際の「お返し」や「お礼」のマナーについては、多くの人が頭を悩ませることがあります。

この記事では、そんな疑問を解消するために、お歳暮やお中元を受け取った際の正しい対応方法や、心をこめてお礼を伝えるための具体的なアドバイスを提供します。

時代が変わっても変わらない、心温まる交流の形を大切に、新しいコミュニケーションの形も取り入れながら、どのように感謝の意を表現し、伝えるべきかを探ります。

お歳暮・お中元にお返しは必要なのか?

日本においては、頂いた贈り物に対する「半返し」が礼儀とされることがありますが、すべてのギフトにこの慣習が適用されるわけではありません。贈られたものの本質や意味合いにより、返礼を必要としない場合も存在します。

とりわけ「お返し不要」とされる代表例が、お歳暮やお中元という年中行事のギフトです。これらは、平素からの感謝の意を表すために贈るものであり、その礼には返礼は期待されていないとされています。

お歳暮は、かつてはご先祖様を迎えるお正月のために本家や実家にお供え物を携えて訪れる慣習から発展しました。江戸時代には、お盆や年末の半年ごとに行われる掛売りの決済の際、得意先への感謝の表現として贈り物が贈られるようになりました。

明治時代を迎えると、上司や恩人への贈り物としても一般化し、現在のお歳暮の慣習へと繋がっています。

お歳暮・お中元のお礼の伝え方について。電話やメールなどの手段

お歳暮やお中元をいただいた際に感謝の思いを伝える手段としては、昔ながらの郵便物の葉書や手紙が基本です。このうち、気軽な葉書は略式とみなされ、もっとも公式な形での感謝を示す場合は手紙を使うことが一般的と言われています。

しかしながら、時代の流れに伴いコミュニケーション手段も変遷を遂げてきたため、現代ではいつでもすぐに連絡がとれる社会の影響もあって、短気な性質が目立つようになり、それに伴い日々の連絡手段も変化しています。結果として電話やメールを活用する人々が増加傾向にあるのです。

何を使うにせよ、大切なのは贈り物を受け取った日から3日をめどに感謝の気持ちを伝えることです。何よりも早めの返答が相手に対する配慮となります。

電話によるお礼の伝え方の利点と難点

お歳暮やお中元といった季節のご挨拶で贈り物をいただいた際に、お礼の言葉を電話で伝える行為は、基本的にマナーに反するわけではなく、非難されるようなこともないのです。

  • 感謝の気持ちを即座に伝達できるメリットがある
  • 口頭で済ませるため、手軽に完了できること
  • しかしながら、相手の都合や状況を把握できないというデメリットも存在する

親しい間柄であったり、ビジネス関連の人物であれば、電話によるお礼は適切でしょう。相

手の都合がわからないからと敬遠されることもありますが、「今お時間はいかがですか」と一言尋ねることで問題ないでしょう。簡潔に感謝の意を表し、余計な話をしない限り、過度に気を遣う必要はないと言えます。

ただし、年配の方や上司のような目上の人には、手紙を用いる方が好ましい場面もあります。

メールやチャットによるお礼の表し方の長所と短所

贈り物への感謝をメールやチャットで伝える行為は、マナーから外れるものではなく、非難されるべきことでもありません。

  • 感謝の気持ちを迅速に伝えられる
  • 紙の手紙に比べ手軽
  • 相手の都合を考慮する必要がない
  • 伝統を尊ぶ人には適さない可能性がある
  • メールやチャットを日頃使っていない相手は気づかないことも

例えばビジネスシーンで贈り物をもらった際、既にメールやチャットで連絡を取り合っている相手であれば、これらのツールを使ってお礼を伝えることは好まれることでしょう。

過去にはメールでの連絡が義務的な返信を伴うと考える声もありましたが、現在ではメールやチャットに返信する義務はないと解されています。これは単なる誤解に過ぎません。

「マナー」としてそのような旧態依然とした考えを述べる人もいますが、時代にそぐわない考え方なので、気にする必要はありません。

ハガキを用いた感謝の気持ちの伝達:良い点とそうでない点

ハガキによるお礼は伝統的な表現方法で、非の打ち所がないと言えるでしょう。

  • 確実で失敗が少ない感謝の表現方法
  • 普段ハガキを使用しない人にとっては少し取っつきにくい
  • 手元に適切なハガキが準備されていない可能性がある
  • 筆記が得意でない人にとっては負担となることも

個別の感謝状を送る際には、通常手書きが望ましいとされており、より一層難易度が高いと感じる人もいるでしょう。しかし、昨今では事前に印刷されたお礼用のハガキも人気を集めています。

  • お中元専用のお礼ハガキ
  • お歳暮やお祝いに適したお礼ハガキ

例として、椿のイラストが入ったハガキはお歳暮に適していますし、胡蝶蘭が描かれていれば季節を問わずお祝いなど様々な場合の感謝状として用いることが可能です。

多くの意見があるかもしれませんが、最終的には印刷されたハガキが実用的であるということになります。

手紙を利用した感謝の表現の長所と短所

封書を利用した手紙は、感謝の意を表する上で最も礼儀正しい手段とされています。

しかし、感謝状を手紙で送ることは、一般的なハガキを使う場合よりも手間がかかります。それに加えて、適切な便箋や封筒を準備する必要があるのです。

基本的には手書きで書かれることが多く、そのためハガキを用いるよりも一層の手間が必要とされることがあります。このように、手紙には独自のハードルが存在すると感じる人もいるかもしれません。

お歳暮・お中元のお礼状:文例集

個人的なお礼のお手紙:お歳暮の心温まる贈り物へ

拝啓

年末が迫り、毎日ご多忙のことと存じます。どうぞ皆さま、変わることなく健やかにお過ごしいただいていることを願っております。

早速ですが、心を込めて選んでくださったお歳暮を賜り、深く感謝しております。いつも私のことを気にかけてくださり、厚く御礼申し上げます。

冬の冷え込みがますます厳しくなりますが、どうかご自愛くださいまして、新しい年が皆さまにとって幸多い一年となりますように心からお祈りしております。

この度は書面をもってお礼を申し上げますが、どうぞこの言葉が心に届きますように。

敬具

ビジネスシーンにおけるお中元の感謝状―テンプレート

謹啓

貴社の益々の繁栄をお喜び申し上げます。

日頃より格別のお引き立てを賜り、心より感謝しております。

この度は丁重なる贈り物を頂戴し、深く御礼申し上げます。

○○株式会社様のおかげで、多大なるご支援を受け、厚く御礼申し上げます。

今後もご指導いただけますよう、何卒宜しくお願い致します。

文末ながら、貴社の更なるご発展を心より祈念しております。

取り急ぎ、お礼の言葉を書面にて表明させていただきます。

謹言

お歳暮やお中元のお礼状について

ここに示すテキストをほんの少し言葉を選び変えることで、取引相手や目上の方々、自分の部下、親しい間柄に至るまで、幅広いシーンで使われるお礼状に応用することができます。

お礼状を書く際の基本的な構成は以下のとおりです。

  • 拝啓(謹啓)
  • 時節に応じた挨拶
  • 受取人への配慮
  • 日頃の感謝の気持ちを表す言葉
  • お礼や感想の述べ方
  • 相手の会社や家族への配慮や健康を願う言葉
  • 締めくくりの挨拶と敬具(謹白)
  • 日付や名前

通常の表現方法として以下が挙げられます。

時節に応じた挨拶の例

  • お歳暮・ビジネス向け
    • 初冬の頃、貴社におかれましてはますます繁栄されていることと存じ、心よりお祝い申し上げます。
    • 師走の時節、貴社の益々のご清栄を心よりお喜び申し上げます。
    • 歳末のこの時、貴社の更なる発展をお祈り申し上げます。
  • お歳暮・個人向け
    • 今年も残すところわずかとなりました。
    • 師走に入り、慌ただしく過ごされていることと思います。
    • 年末を迎え、寒さも一段と増してまいりました。
  • お中元・ビジネス向け
    • 盛夏の候、貴社におきましても変わらぬご繁栄をお慶び申し上げます。
    • 猛暑の季節、貴社にはますますのご隆昌を願って止みません。
    • 晩夏の候、貴社の一層のご繁栄を心よりお祈り申し上げます。
  • お中元・個人向け
    • 長雨の梅雨も明け、真夏日が続いておりますがお過ごしはいかがでしょうか。
    • 夕立が心地よい猛暑日が続いています。お元気でお過ごしでしょうか。
    • 連日厳しい暑さが続いており、お身体にお変わりはないでしょうか。

受取人への配慮と感謝

  • ビジネス版
    • 日頃よりひとかたならぬご厚情を賜り、心より御礼を申し上げます。
    • 常々貴重なサポートをいただき、深く感謝しております。
  • 個人宛
    • 皆様のご健勝をお祈りしております。我が家も皆様のおかげで元気にしております。
    • いつもお変わりなくお過ごしいただいていることを心よりお慶び申し上げます。

お歳暮のお礼や感想

【取引先様へ】贈っていただきました品々に心より感謝申し上げます。早速、スタッフ一同で美味しくいただきました。これからも期待に応えられるよう尽力いたしますので、引き続きご指導賜りますようお願いいたします。

【個人様へ】心のこもった素晴らしい贈り物をありがとうございます。家族全員で大変喜んでおり、早速楽しくいただきました。

また、予期せぬ贈り物に感動しました。家族が大変喜んでおり、心からのお礼を申し上げます。

相手の会社・家族への気遣いや健康を祈る内容

【取引先様へ】文章の最後になりますが、貴社の一層の繁栄と皆様方の健康をこころよりお祈りしています。

【お歳暮・個人様へ】冬の寒さが厳しさを増しておりますので、どうぞお体に気をつけてお過ごしください。

寒波が到来する今季も、貴方様の健康と幸せを心より願っております。

これからの一層の冷え込みに備え、ご自愛いただけますと幸いです。

【お中元・個人様へ】暑さがこれからが最高潮になります。くれぐれもご自愛いただき、夏をお過ごしください。

秋の訪れもまだ先のこととなりそうですが、暑さ対策をしっかりと行い、お身体を大切にしてください。

季節の変わり目でもありますので、健康には十分注意してください。

締めの言葉

拙い文章ではございますが、心からの感謝をお伝えいたします。

急ぎお礼の言葉を申し上げます。

妻がつづる夫名義のお礼状のルール

妻が夫に代わってお礼状を書く場合、特定のマナーに従いましょう。

差出人の名前を書く際には、書き方に注意が必要です。

  • 縦書きで書く時は、夫の名前の左下に小さく「内」と書き添えます。
  • 横書きで書く時は、夫の名前の右下に小さく「内」と記します。

細かな点として、お礼状を妻の言葉で表現する際は「内」を、夫の言葉であるかのように書く場合は「代」と記すことが適切です。しかし、一般的な書き方であれば、「内」を使っても問題ありません。

本来は贈り物を受け取った本人が直接お礼を述べるのが理想ですが、男性が書くことを避けることも少なくありません。このマナーを覚えておくと役立ちます。

お歳暮やお中元のお返しは必要?

通常、お歳暮やお中元はお互いの贈り物として終わらせることが多いですが、特に感謝の気持ちを伝えたい場合や、いつもお世話になっている方からいただいたときには、お返しを考えることもあるでしょう。

そこで、お礼として何かを贈り返す際の適切な金額やタイミング、さらにはマナーとしての表書きについて詳しく解説していきます。

お歳暮やお中元におけるお返しの適切な金額

お歳暮やお中元といった贈答品を頂いた際のお返しとして、一般的には受け取った品の価値の半分から同額の範囲で相手に贈り返すことが慣習とされています。

しかし、もしいただいたものよりも高い贈り物を送ってしまうとそれは、「今後はお歳暮やお中元のやり取りを辞退したい」というメッセージと取られかねないため注意が必要です。

特に目上の方には、尊敬の念を表して、もらったものよりも控えめな価値の品物を選ぶことが一般的です。これにより相手への敬意を示すことができるのです。

お歳暮とお中元のお返しはいつ?

お歳暮やお中元を頂いた際の適切なお返しのタイミングとしては、受領後10日から1ヶ月が望ましい期間とされています。

もらった直後に急いでお返しをするのは、かえって礼儀を欠く行為と見なされることがあるため、気をつけましょう。

お歳暮やお中元のお返しの表書きについて

お歳暮やお中元を送り返す時期によって、表書きをどのように記すかは異なります。

お歳暮のお返しの場合

  • 年内は「御歳暮」と記入
  • 年が明けてから松の内(1月7日まで、または地域により1月15日まで)は「御年賀」と記入
  • 松の内が明けてから立春の前日までは「寒中御見舞」と記入

お中元のお返しの場合

  • 立秋に至るまでは「暑中見舞」と記入
  • 立秋から8月末ごろまでは「残暑見舞」と記入

お歳暮やお中元のお礼について

お歳暮やお中元をいただいた際は、その後のお返しに先駆けて、まずはお礼の気持ちを伝えましょう。

お礼状は頂いた後すぐに、目安としては3日以内に差し出すことが望ましいです。お返し自体とは異なる行為であるため、両方を適切に行う必要があります。

また、お歳暮のお礼と新年の挨拶は別々にするべきです。新年の時期が重なっていたとしても、「お歳暮をありがとうございました」という言葉は独立させて伝えるのが良しとされています。

お礼の気持ちはきちんと表現するべきで、形式ばかりに捉われることなく、相手への感謝の思いを大切にすれば、どうしても面倒な作業も乗り越えられます。